いつも幻想と隣り合わせの国メキシコ
6月5日から17日までセルバンテス文化センターでCarles Berruezo Domingo(カルレス・ベルエソ・ドミンゴ)写真展『アレブリヘ、メキシコの幻想的魂』が開催されました。とてもカラフルで面白い展覧会でした!残念ながら展示時間は少し短かったので見逃した方がいらっしゃるかもしれないなと思ったので今日はPR Mexicoで展覧会のレビュー、アレブリへ、メキシコの「幻想的魂」についてお話させていただきます。
メキシコといえばカラフルで賑やかな国だというイメージをもつ人が多いと思います。メキシコの一番有名な建築物、民芸品、絵、雑貨などを見ていただくとそれは本当なのだと分かっていただけるのではないかと思います。それぞれはメキシコの現実を表すのですが、同時にメキシコのマジカルなところも表しています。メキシコ文化の中に神秘的な存在があります。例えば今回の写真展でも紹介されたalebrijes(アレブリへス)です!
Alebrijesとは?
Alebrijesは空想動物をかたどったメキシコの民芸品です。実はalebrijesの発祥はやや漠然としています。一番知られている俗説は1930年代にメキシコの職人Pedro Linares(ペドロ・リナレス)が夢でみた奇妙な動物からインスピレーションをうけて、alebrijesを作ったというストリーです。
この説では、alebrijesの観念、形はLinaresによって作られています。しかし、空想動物は世界中の色々な物語に登場しますね。例えば、ギリシャ神話のミノタウロスやケンタウロス、中国の麒麟やドラゴンなどもそうですよね。では、なぜalebrijesはメキシコの独特なものとして見られているのでしょうか?
Alebrijeは民芸品ですが単なる空想動物の置物ではないと思います。展覧会で紹介された通りalebrijesは「メキシコの幻想的魂」を体現するものの一つなのでメキシコの独特なものだと言えるでしょう。
メキシコの魂ー マジカルメキシコ(Mexico Magico)
1938年にシュルレアリズムの芸術家Andre Breton(アンドレ・ブレトン)がメキシコを訪れた時に「メキシコは世界一シュルレアリストな国だ!」と言ったそうです。でもそれはBretonだけが思っていることではなさそうです!メキシコにいると不思議で面白いなことが起こり、現実を超えた体験ができます!
例えば、個人的なことになりますが面白い話があります。ある日、メキシコシティのとてもおしゃれで贅沢なPolancoという街で外国人の友達と一緒に歩いていました。Chanel、Burberry、Cartierなどの高級店やおしゃれなレストランを見せました。友達が道を歩きながら「この周辺はメキシコの銀座みたい!」と言った間もなく、変なものが現れました。ヤシの木から大きな一房のバナナが下がっていたのです!その道を進めないぐら大きくて邪魔でした!そんなおしゃれな場所に立派なバナナの木があるのにとても驚きました!
これがMexico Magico(メヒコ・マヒコ)、つまり「幻想的なメキシコ」です。その不思議なもに出会える理由がいろいろあって特にこれが理由だということはできません。メキシコの日常の中には伝統的なものや現代的なものが同居しているということ、経済的な不平等、自由度が高い環境などの社会的、文化的な影響でメキシコの町はコントラストが強く出ているのではないのでしょうか。そして、予想が出来なく「幻想的」だからこそこのような驚きがあり、マジカルな存在に出会えるではないでしょうか。メキシコは日常生活を中断させるalebrijesが出てきそうな場所なのです。
Alebrijesのパレード
セルバンテス文化センターでその日常生活を中断する瞬間が映っているCarles Berruezo Domingo写真展『アレブリヘ、メキシコの幻想的魂』の展覧会がありました。写真家Carles Berruezo Domingoが毎年10月にメキシコシティで行っているalebrijesのパレードを撮影したものです。パレードには大きくて、カラフルな張り子のalebrijesがでていて、2時間かけてZocaloから目印のAngel de la Independencia(独立記念塔アンヘル天使像)まで移動します。このパレードの2時間はメキシコシティが別の世界になる瞬間です。
高級なものと一緒に暮らしているバナナの木のあるところ、誕生日に通路を貸し切ってみんなでで踊ったりできるところ、alebrijesが私たちにとって身近なそんざいであるところ。こうしたメキシコの環境の中で生まれたalebrijesはミノタウロスとはぜんぜん違っていてメキシコ特有のマジカルな存在だといえるのではないでしょうか。
あなたはどう思いますか。皆さんの意見もぜひ聞かせてください!