2 月 14 日は「愛と友情とグアダラハラの日」
龍崎節子
Ryuzaki Setsuko
2 月 14 日は言わずと知れた「バレンタインデー」ですが、メキシコ第二の都
市グアダラハラではもっと大切な記念日。なぜなら遡ること 477 年。西暦
1542 年のこの日、このグアダラハラ市が制定されたからです。日本史で言う
と室町幕府、徳川家康が生まれた頃にこの市は誕生したというわけ。
この日を祝い、市の中心にある築 450 年の大聖堂から東に 1km 伸びるエリ
アに「GDLuz(グアダラハラの略称と光 Luz を合わせた造語)」と銘打った光
の祭典が、今年も 2 月 13 日から 16 日まで開催されました。
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歩行者天国のこのイベントゾーンには 40 あまりの展示物、イベントコーナ
ーやステージが設置されています。連日、街が暗闇に包まれ始める7時からラ
イティングが始まり、家族連れや友達グループ、カップルたちがそぞろ歩きを
楽しんでいます。
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私のお目当は、大聖堂の背後に設置された巨大なアガベのステージ。アガ
ベといえば、当地が世界に誇るテキーラの原材料。これをモチーフにした大胆
なセットで行われる伝統舞踊とマリアッチの演奏とライティングデザインのシ
ョー。ステージ周辺は日暮れとともにあっという間に何万という市民で埋め尽
くされ熱気ムンムン。
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時間にすれば 10 数分とあっという間でしたが、若手伝統舞踊のダンサーた
ちの軽やかでエネルギッシュな、そしてカラフルな踊りと、これを聞くだけで
元気になれるマリアッチの音楽。いずれもこのグアダラハラの誇る伝統芸能
で、私を含めた老若男女がため息を漏らしながら見入っていました。
その直後から同じステージ一帯で始まったのが、最新技術を駆使した光と音
のデザインショー。協賛企業から観客たちに配布された Bluetooth 連動の腕輪
が音楽に合わせて光り、LED が仕込まれた大きな風船もいくつも観客たちの波
の上に漂い、「観る」だけではなく「参加する」ショーとなっていました。
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今夜、私が一番驚いたのは、実はその観客の層。ハイテクイベントゆえに若
者ばかりかと思いきや、むしろお年寄り世代もたくさん来場し、その新しいシ
ョーを進んで楽しんでいる姿です。老いも若きも一緒になって常に家族単位で
行動し、その年齢層も3〜4世代にわたるのが日常のメキシコ。彼らは年齢問
わず、伝統文化を大切に守って行きながらも、新しいものをどんどん喜んで受
け入れ吸収していくのが得意なようです。イベントの内容も、古き良き伝統か
ら日々進化するハイテク技術まで、新旧をうまく調和させながら観客たちを魅
了させる。「Un poco de todo(ちょっとずつ全て)」のメキシコの精神が作り
手と観客たちからよくわかるひと時でした。
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